概要

玩具と感慨

数多い種類の玩具がデザインされているが、他の用途向けの道具などが玩具に適さないというわけではなく、子供が文房具や道具でさえない木切れを手に持って遊べばそれは玩具として機能する。子供にとって遊びは余暇ではなく生活行動そのものであり、その中で玩具は活動の方向性を作り出す。遊戯の目的である、自然法則を理解するための準備や文化・社会生活へ適応するための訓練は、玩具の意義にもそのまま当てはめることができる。

玩具の起源は非常に古く、先史時代まで遡る。ただしそれらは当初から子供向けに製作されたものではなく、大人が用いていた宗教の祭祀や生活における様々な道具が子供に下げ与えられたことに発すると考えられる。テレビゲームやロボットなどのデジタル機器も玩具に入れることが出来る上、蒐集家向けに飾っておく事だけを目的とするような玩具も存在する。

20世紀に入ると、玩具にも様々な技術革新が導入された。経済の安定的成長とテレビの普及など大量消費社会では、玩具市場も急速な拡大を見せた。1960年代には合成樹脂などの新たな素材が普及し、これをさらに加速させた。1970年代からは半導体を使用するハイテクおもちゃが現れ始め、1979年のインベーダーゲームのブームに端を発するテレビゲームが普及し、玩具の有り様に大きな変化をもたらした。さらにメディアミックスを用いて漫画やアニメーション、インターネットなどと関連させ市場への訴求力を高めた玩具が販売されている。伝統的な玩具を製造販売する企業には、ハイテクおもちゃに長年の市場を奪われていることに対抗し、昔からの玩具をテレビゲーム化してインターネットで対戦できるような分野に進出してその販売力を高めている企業もある。

日本では、1871年(明治4年)に慶應義塾が遊具を設置し、1873年(明治6年)には内務省が教育玩具の普及を目的に製造業界に製品の販売を促した。文部省も乗り出し、『小学読本』でボール遊びのひとつとして野球の記事を載せたり、『童女筌』でけん玉遊びを奨励するなどの活動を行った。1879年(明治12年)にはフレーベルの理論を紹介した『幼稚園法二○遊嬉』を発行した。1914年(大正7年)には幼稚園・小学校の教材に折り紙が加えられた。第二次世界大戦中には模型飛行機などの軍事色が強い玩具が学校教育に導入されたが、戦後にはこのような戦争玩具は教室から排除された。

玩具とホームページ

昔ながらの玩具というと、ブリキのおもちゃや、もしくはそのような子どもが使うおもちゃを思い浮かべることも多いことだろう。現代でもそういったおもちゃは存在するし、子どもにも人気だ。しかしながら、近年出てきた電子機器やインターネットと言ったおもちゃ(おもちゃと言って良いのかは疑問だが)は、子どもたちに果たして良い影響を与えているのだろうか。ホームページの情報を集取できるこのようなサイト、こういったブログなどできちんとした情報を収集することは、親の責務となると言っても過言ではない。


since2010 © 美術について